絶望の時が流れるだけでした。

家族を養っていけるだけの、まともな仕事はどこにもありません。

死んだ方が、どれだけか、気は楽でしょう。

子どもは贅沢は一切言いませんでした。
学校からの集金袋も、申し訳なさそうに出してきます。
クリスマスもお年玉も、何も言いません

……不甲斐ない。

周りの大人たちは、責めることしか言いません。
その人がどれだけ大変なのかを理解しようともせずに、言いたい放題です。
たまたま、失業にならなかった運が良い人間というだけで、偉そうに説教です。
意味がわかりません。
理論もムチャクチャです。
言うだけ言って、何のフォローもありません。
仕事を紹介するわけでも、お金を都合してくれるわけでもありません。
いい加減なのです。

そんな人間の言うことなど、聞けるはずもありませんでした。

ただ、子どもたちだけは何とかしなければいけません。
これだけは守らなければいけない。

生活から逃げ出したかった私を、常に勇気づけてくれたのはそういう思いでした。

この子どもたちの為に頑張る。

絶対にあきらめない。

……そのギリギリの状況で、少しだけ嬉しいことがありました。
趣味で作っていたサイトのアクセスが一気にのびていたのです。
載せていた広告のおかげで、月に5万円の臨時収入です。

とても生活の支えにはならないものでしたが、誰かが『頑張れ』と言ってくれているような気がしました。

その収入で子どもたちにプレゼントを買いました。
子どもたちは驚いていましたが、とても喜んでいました。

そう、この笑顔を見るために頑張っているんだと、あらためて感じた瞬間です。

絶対に負けない。この笑顔を守る為に……。